2014年7月14日月曜日

二階堂ふみ「私の男」を見てきました


二階堂ふみさんが主演した「私の男」が、モスクワで(よく分からない)賞を取ったって?
しかも、父親とのインモラルな関係を描いた衝撃作?
こりゃ、見に行かないと!

ということで、見てきました。


この手の作品ですと、父親と娘が禁忌を犯す理由付けが、しっかり描けているかどうかが出来上がりの成否を握っているわけでして、これが弱いと、単なるポルノになってしまう。(まぁ別にポルノなら、ポルノで、割り切るのも良いと思いますが)

海外で受賞したくらいだから、「二階堂ふみという若手の女優が、美人な上に演技が出来て、エロイことも平気なタイプだから、とりあえず芸術っぽく撮って、貧相な世間の人間の劣情を煽り、あぶく銭稼いでやれー」てな感じではないだろうとなぁと思いながらも、・・・・・・濡れ場を期待しておりました。


以下、徐々にネタバレ。

僕の個人的な物語の咀嚼力が弱いのか、父娘が、そういう関係になってしまう理由が、いまいち、つかめない。

物語は津波のシーンから始まって、そこで娘である「花」だけが生き残る。
そして遠縁にあたる「淳悟」という男が引き取る。

娘にしてみると、男は自分の保護者。飯の種。ある程度しっかりとしていれば、自然と親愛の情がわいてくる。
さらに、育ててくれた家の母親には、どうやら愛されていなかったようで、しかも、自分の命を救ってくれたのは、父親(育ての親)。
父親に対しては、過剰な愛情を求めてしまうという展開。

「淳悟」にとって、実は「花」は、血の繋がった娘。
だから、まぁ、津波があって、彼女を引き取りに行くというのも、分からんでもない。


でも、ここから、肉体関係に行ってしまうのが、どうにもこうにも、理解できないまま物語は進む。

まぁ男の身勝手な論理からすれば、そりゃ、二階堂ふみみたいな美少女から言い寄られたら、コロッといってしまうだろう、とも思いますが、でも実の父親だからね。
そんなエロゲー的な理屈では、どうも納得するのも難しい。

特に父親役が浅野忠信さん。風貌からしても単なるエロ親父以上のものが、この男にはあるんじゃないか? と求めてしまうけど、どうにもこうにも、「家族が欲しい」とか言っておきながら、娘を性欲処理の対象にしていることに、矛盾しか感じないし、その矛盾に苦悩しているようにも見えない。


で、二階堂ふみさんが演じる、娘の「花」にしても、震災のトラウマから過剰な愛情や依存を生んでしまった、とも言えるけど、父親との肉体関係を渋々ではなく、喜んで受け入れているようにしか見えない。

エロゲーでもあるまいし、そんな便利な、若くて綺麗でスタイル抜群の娘がいるかいな!? と思ってしまう。


で、二人の関係がバレそうになって、殺人まで犯してしまう。
幸いにして、犯行が第三者にバレることはなかったが、居辛くなって故郷を捨てて東京に出てしまう。

ここから、また、よく分からない展開で、男の方は、働くのを辞めて、ゴミ屋敷のような家で腐っていく。
でも、女の方は、ちゃんと仕事を見つけて、同僚と飲みに行くようになる。住んでいる家は一緒だけど、彼女の部屋だけ、ちゃんと清潔で片付いている。こっちは真っ当な人生に。

なんで、殺人まで犯して守った関係なのに、そんな齟齬が生まれてくるのか、その理由も、(僕的には)判然としない。


で、最終的には、花は逃げ出して他の男と結婚することに。
でも、最後の最後のシーンで、また父親を誘惑するようなシーンで終わる。


正直、えぇ? なんで? さっぱり、意味が分からんよ。

父親は単純に若い女が好きで、娘はニンフォマニア(色情狂)ということなの?
(うーん、エディプス・コンプレックスでも用いれば、もっともらしい解釈ができそうな気がするけど)


全体的に、説明不足な気がしました。
「続きはwebで」というCMがあるけど、「詳細は原作で」ということなのか?

いや、単に僕の物語への理解能力が欠けている?
そもそも、そういうことを云々する映画ではなくて、もっと理屈ではなく感性でみるタイプなのか?


(未だに物議を醸すような)冒頭に津波があるように、センセーショナルなシーンが続いて、時折登場人物が意味深な言葉を吐いて、二階堂ふみさんの、ちょっと不安定な子だと思わせる演技があって、「この映画には、なにか、ありそう! もっと考えなくては!」とは思わせるんだけど、とどのつまり、貧相な独身男性には、二階堂ふみさんは綺麗で可愛くてエロいな、というイメージしか頭に残りませんでした。

安っぽい映画ではないんだけどね・・・・・・・。

by カエレバ

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